歌うクジラ
髪とミステリー第4回は、
歌うクジラ / 村上龍
あらすじ
2022年クリスマスイブ、ハワイ沖の海底で、グレゴリオ聖歌の旋律を正確に繰り返し歌うザトウクジラが発見された。
そのクジラは 1400歳を超えていることがわかった。
このクジラの遺伝子を解析することにより、人類はついに不老不死に関わる遺伝子を特定する。
それから100年後。あらゆる階層において棲み分けが完成し、「理想社会」と呼ばれていた日本。
分断された最下層区域から、一人の少年が脱出をはかろうとしていた。
彼は処刑されることになった父から、不老不死遺伝子「歌うクジラ」に関する重要な秘密を託されたのだった。
秘密情報を書き込んだチップを体内に埋め込み、最上層施設に住むある人物に届けるための、少年の旅がはじまった。
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いずれ未来はこうなってしまうのではないかと本当に思ってしまうディストピア小説的な作品。
統制を取りやすくするために個性をなくさせて均質化を図ろうとする政府と、淘汰されないためにも、より自分たちらしさを追い求め、個性を強くしていった最下層で生きる人たち。
上層階で生きる人は不老不死を手に入れられるけど、果たしてそれが本当に人間にとって幸せなコトなのか、
などなどここではネタバレになるので書けないけど、
小説だと思ってただ読んでいるわけにはいかなくなってきて、
つい今のテクノロジーはどこまで進んでるんだっけと、ググッてしまうハラハラ感がある。
人間の本質とはなんぞやと、考えずにはいられない物語だった。
さすが村上さんの取材力。
そんな今回は、現実として起こりそうな未来を想像してヘアをデザイン。
機能性を重視したら、ショートにパーマが楽なのかな。
ではまた次回に!
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